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36.「安達家に生涯を捧げた松本トミさん」

鈴 木  勝

 松本トミは高澤家の親戚筋にあたり鏡子の従姉妹である。明治20年に山 形で生まれ、鏡子より17歳年下であった。鏡子は高等小学校を卒業した トミに「お手伝いさんとして家事を手伝ってほしい」と手紙を出した。ト ミは幼い頃から鏡子に尊敬と憧れを抱いていたので、安達家に奉公する事 を快く承諾した。峰一郎がメキシコ公使になった時、峰一郎は子どもを彼の両親に託して赴任したので、留守宅の家事はトミに任された。トミはそれを手際よくこなし、親戚の人々からは「おトミさん」と呼ばれ親しまれた。トミが峰一郎の海外赴任に同行するのはベルギー公使赴任からである。第一次世界大戦の最中、博士夫妻と戦乱のヨーロッパに赴いたトミは、戦火に怯えながら、九死に一生の体験を味わったのである。こうして、忠実な執事として安達家に一生を捧げたトミは、現在山形市三日町の聖徳寺の墓地で母親と一緒に眠っている。



 
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安達峰一郎博士顕彰会                
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