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26.「峰一郎 混迷するメキシコの公使を拝命」

鈴 木  勝

 峰一郎は大正2年1月8日付で、外務省より特命全権公使としてメキシコ国赴任を命ぜられた。当時のメキシコはデイアス大統領が失脚しマデロ大統領に代わっても、反政府側との抗争が続き、政局は混沌としていた。当時メキシコに数多くの日本人が移住しコーヒ栽培などに従事していた。「榎本殖民」である。これは榎本外務大臣の発案で、メキシコとの交渉により日本人の移民地を購入し「榎本殖民」として開拓団を組織して送り込んだ移民策であった。峰一郎は邦人救出のために直ちに現状分析と対策に着手し、自分の手足になる人物の選考に入った。メキシコはスペイン語を母国語としており、スペイン語の達者な外交官である事、隣国米国の動向も注意しなければならないため、米国の事情にも通じる者が選抜の対象となった。当時の米国では、政府とメデイアが日本とメキシコについて憶測記事を誇大に書き、世論工作を行っていた。

 
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安達峰一郎博士顕彰会                
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